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STEP4:生活のはなし
一般生活に向けて

これからは、新しいパートナー、心強いサポーター、ペーシングシステムとの生活について、知っておかなければならないことをお話します。

退院され家に戻る際、担当医師または医療関係者から、その後の生活について特定の指示が与えられることになるでしょう。

回復について

手術から完全に回復するまでには、それぞれの病状により、数日、または数週から2〜3ヵ月ほどかかります。

ご自身の回復に対して、より前向きになることが重要です。あわせて、植込み部位への注意や、受診することになるかもしれない他診療科の医師、歯科医師、そして緊急時の医療関係者に対して、ペーシングシステムが植込まれていることを伝えるなど、担当医師から指示が出されることでしょう。

一部の治療の際に、一時的にペースメーカのはたらきを調整をする必要もあり、これらは重要になります。

退院後のペーシングシステム定期検診

現在、多くのペースメーカは、さまざまな機能を状況に合わせて自動で調整する機能を備えています。それでも、すべてが自動的に動くわけではなく、患者さんの状態に合わせて動くためには、定期的な管理はかかせません。人間のからだの調子が毎日変わるように、ペーシングシステムの調整も必要になるのです。このため、退院後の外来受診に関しては、担当医師の指示に従うことが非常に重要です。

ペーシングシステムの定期検診は、一般的には約3〜4ヵ月に1度、およそ20分ほどで、通常の外来診察とあわせておこなわれます。この際、ペーシングシステムが正しく作動していることや、前回の調整から受診当日までに心臓でどんなことがおきていたのかが調べられます。また、服用している薬が、ペーシングシステムの作動に影響をおよぼすかどうかを調べることもあります。さらに、正しく作動するだけの電池があるかどうかもチェックされます。ペーシングシステムの定期検診によって、もっとも体調に合った調整がおこなわれます。これによって、安心した生活を送れるでしょう。

ペースメーカ本体装置の交換(電池交換)

ペースメーカ本体装置は内蔵された電池(バッテリ)によって動いています。どんな種類の電池でもおこるように、ペースメーカの電池も、時の経過と共に減っていきます。何年間電池が使えるかに関しては、担当医師により決定された設定(プログラムの値)と、どのくらい治療がおこなわれたかに左右されます。残っている電池の量(電池寿命)は、定期検診の際にチェックされますが、その量がある一定の数値を下回ると新しいペースメーカ本体装置へ交換することが検討されます。

交換手術は、ペースメーカ本体装置を取り出し、新しいものを入れるといったごく簡単な手術です。ペースメーカ植込み部(ポケット)の皮膚を切開し、リードがペースメーカ本体装置から外されます。これらのリードは今後も適正に作動するかどうか確認された後、新しいペースメーカ本体装置に接続され、ポケット切開部は縫合されます。一般的には手術が終わるまでおよそ1時間程度かかります。

リードの交換

リードの耐用年数については、その種類、植込まれた部位や状態など、さまざまな条件によって異なりますので、一概に何年とはいえません。

定期検査の際に、リードの状態を評価し交換が検討されます。

リードは、発生率は非常に少ないですが破損する可能性があります。導線部分(電線ワイヤー)や絶縁部分が破損してその機能を果たさなくなったり、電極先端部分などが変形や破損することもあります。また、心臓に固定されているべきリード電極部分が移動してしまったり、適切に心臓の電気信号を感知できなくなってしまったり、効果的なペーシング治療ができなくなってしまう可能性があります。

リードの交換時期
リードが本来の機能を果たさなくなると、リードもペースメーカ本体装置と同様に交換することが検討されます。多くの場合、不要になったリードはそのまま留置され、適切なリードが新たに追加されて植込まれますが、状況に応じて不要になったリードが摘出されることもあります。

気持ちの持ち方

ペーシングシステムの植込みによって、さまざまな気持ちの変化を経験されるでしょう。最初のうちは、ペーシングシステムに、不安、おそれや怒りなどの多くの感情を抱くのはごく自然なことです。まず、ご自身の健康についての考え方を心の中で整理する必要があります。ペーシングシステムと一緒に生活するということは、それが徐脈を治療するという点において前向きなことと理解しましょう。

しかしながら一部の方は、植込まれたペーシングシステムに依存するということで、神経質になってしまうことがあります。ただし、このような感情が一般には長く続かないといわれていて日常生活に戻るにつれペーシングシステムに対する信頼感や快適感は増していくともいわれています。

一般生活のすすめ

どれくらいで通常の生活を再開することができるかについて、担当医師から指導があることでしょう。多くの場合、ペーシングシステムが徐脈を治療してくれていることが保証されるにつれ、手術の前に楽しんだ生活様式に徐々に戻っていきます。

仕事、趣味、軽い運動、旅行、恋愛など、希望に満ち溢れた新しい人生が待っています。それらを楽しむためには、新しいパートナー、心強いサポーターであるペースメーカとの生活について正しく知る必要があります。まず、危険を回避するために、いくつか特定の活動を避けるように指示があると思います。

規制などに関しては、関連する法令を参照してください。また、その他の不明な点は、担当医師に相談してください。

内服について

ペースメーカは、徐脈を治療する医療機器であり、その他の不整脈や心臓の病気を治療、または予防する治療法ではありません。担当医師の処方する薬は指示に従って必ず飲んでください。

さまざまな生活環境について

家庭内や屋外などの一般の生活環境、また医療施設などの特殊な環境にはペースメーカに影響を与える状況や条件が少なからずあります。

この表は注意の度合いを色で区分しています。ここに記載の電気器具は故障していないこと、適切にアースが取りつけられていること、器具の取り扱い注意事項を守っていることが前提となります。

詳細は「使用上の注意事項」を参照してください。

患者さんが医療を受けられる場合には、ペースメーカを植込んでいることを患者さんもしくは家族の方から必ず医療者側にお伝えください。

  一般的に影響が少ないもの
  注意事項を守れば安全に使用できるもの
  影響があるもの

家庭

 

車両、生活、その他

 

工業機器、施設

 

医療機器

※ペースメーカの種類により一定の条件の下、MRI検査が可能です。詳しくは主治医にご相談ください。

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